「どうして自分ばかりが損をするんだろう？」 「なぜ周りの人は自分を理解してくれないのか？」こんなことをよく考えてしまうなら、もしかすると「他責思考」のクセがついているかもしれません。
他責思考のままでいると、仕事で評価されにくくなったり、人間関係が悪化する可能性も。逆に、他責思考を克服すれば、主体的に生きる力がつき、人生の充実度が大きく向上します。
この記事を読めば、他責思考を手放し、主体的な人生を送る第一歩を踏み出せるようになります。では、さっそくチェックしてみましょう！
「他責思考チェック」であなたの思考を見直そう
「他責思考」とは？
「なぜ自分ばかりツイていないのか…」
「こんな結果になったのは、上司や環境が悪いせいだ！」
こんなふうに感じたことはありませんか？
「他責思考（たせきしこう）」 とは、物事がうまくいかないときに、その原因を自分ではなく他人や環境のせいにする思考パターンのことを指します。これはしばしば人間関係や職場環境において問題を引き起こすことがありますが、病気や精神障害とは異なります。
もちろん、すべての状況において自分に原因があるわけではありません。しかし、常に「誰かのせいだ」と考える癖がついてしまうと、自分では何も変えられない無力感に陥り、人生のコントロールを失ってしまうのです。
他責思考のデメリット（仕事・人間関係・成長に悪影響）
1. 仕事の評価が下がる
他責思考が強い人は、仕事のミスやトラブルが起こったとき、「自分は悪くない」「部下や上司が悪い」と考えがちです。責任を取らない姿勢は、周囲からの信頼を損ねる結果になります。
- 報告ミスを部下のせいにする → 上司からの信頼を失う
- 業績不振を会社の体制のせいにする → 自分が成長しない
- 上司の指示が悪いと不満を言う → 会社での評価が上がらない
2. 人間関係が悪化する
他責思考の人は、トラブルが起こるたびに周囲を責めるため、対人関係で摩擦が生じやすくなります。最初は同情してくれた人も、次第に「この人と関わると疲れる」と感じ、距離を取るようになります。
- 「お前のせいで失敗した」と責任を押し付ける → 職場で孤立する
- 家族や友人とのトラブルを相手のせいにする → 信頼関係が壊れる
- 「みんなが悪いから、自分もこうなった」と考える → 自己成長が止まる
3. 成長のチャンスを逃す
人は失敗から学び、成長していきます。しかし、他責思考の人は「失敗＝他人のせい」と考えるため、自分を変える努力をしません。
- 「上司が悪いから、うまくいかない」と考える → 転職しても同じ失敗を繰り返す
- 「時代が悪いから、成功できない」と言い訳をする → 自分を変えずに不満を言い続ける
- 「環境が悪いから、何をやっても無駄だ」と思う → 挑戦する前に諦めてしまう
【診断】あなたは他責思考？チェックリストで自己診断
まずはチェック！他責思考セルフ診断リスト
以下の質問に「はい」または「いいえ」で答えてみましょう。
- 失敗したとき、まず他人や環境のせいにしてしまうことが多い。
- 思い通りにいかないと、環境や運のせいだと感じる。
- 仕事でミスをした際、「上司が悪い」「部下が無能」「会社の体制がダメ」と思う。
- 友人や同僚と意見が合わないと、「相手がわかってくれない」と考えることが多い。
- 自分の状況が良くならないのは、会社や社会のせいだと感じる。
- 「あの人がこうしてくれれば、自分もうまくいくのに」と考えることがある。
- 何か問題が起こったとき、自分の行動を振り返る前に、誰かを責めてしまう。
- 「努力しても報われないのは、世の中が不公平だから」と思うことがある。
- 他人の成功を見て、「あの人は運が良かっただけだ」と感じる。
- 「自分がこうなったのは親や育った環境のせいだ」と考えることが多い。
- 他人のアドバイスを「そんなの無理に決まってる」と否定することが多い。
- 友人や家族と口論になったとき、「自分は悪くないのに」と強く思うことが多い。
診断結果
「はい」が多いほど、他責思考の傾向が強いです！
0～2個：主体的な思考
あなたは自分の行動に責任を持ち、主体的に生きているタイプです。他責思考に陥ることは少なく、問題が起きても前向きに解決策を探すことができるでしょう。
3～5個：やや他責思考の傾向あり
ときどき環境や他人のせいにしてしまうことがあります。失敗を振り返るときに、「自分にできることはなかったか？」と考える習慣をつけると、もっと成長できるでしょう。
6～8個：他責思考が強め（要注意！）
あなたはかなりの頻度で他責思考に陥っています。このままだと、仕事や人間関係に悪影響が出る可能性があります。「どうすれば状況を改善できるか？」を考える癖をつけると、より良い未来が開けます。
9個以上：深刻な他責思考（改善が必要！）
ほとんどの物事を他人や環境のせいにしてしまう傾向があります。これが続くと、成長が止まり、周囲からの信頼を失うリスクが高まります。「自分が変えられる部分はどこか？」を意識することが、人生を好転させる第一歩です。
他責思考の典型的な特徴と行動パターン
他責思考の人には、いくつか共通した行動パターンがあります。あなたや身近な人に当てはまるものがないか、チェックしてみてください。
1. 責任転嫁する
自分のミスや問題が起きたときに、「あの人のせいでこうなった」「環境が悪いから仕方ない」と考える癖があります。
❌ 仕事で締切に間に合わなかった → 「上司の指示が悪かったせいだ！」
❌ プロジェクトが失敗した → 「チームメンバーの能力が低いからだ！」
他者のせいにする、という思考はルサンチマン症候群にも近いものがあります。他者への嫉妬や劣等感が恨みや不満となり、それを他者のせいにしている状態です。この思考の他に「他者の成功を喜べない」「相手が自分を見下していると感じる」など感じる場合は、ルサンチマン症候群のチェック診断を行ってみることをおすすめします。
2. 言い訳が多い
他責思考の人は、「でも」「だって」「どうせ」を多用する傾向があります。言い訳を並べることで自分を正当化し、変わろうとしないのが典型的なパターンです。
✅ 「でも、自分のせいじゃないし…」
✅ 「だって、環境が悪いんだから仕方ない！」
✅ 「どうせ努力しても無駄だし…」
3. 被害者意識が強い
他責思考の人は、「自分は悪くないのに、理不尽な目に遭っている」と考えがちです。そのような思想が続くと、「どうせ自分は報われない」という無力感に陥り、行動できなくなることも。
✅ 「上司は自分を評価してくれない！」
✅ 「周りの人が協力してくれない！」
✅ 「努力しても報われないのは、社会が悪いからだ！」
他の項目はあまり当てはまらないが、被害者意識が強いと感じる人は悲劇のヒロインを気取っている場合も。悲劇のヒロインぶる女の特徴も確認して見てくださいね。
4. 改善策を考えず、環境や他人のせいにする
他責思考の人は、問題が起きたときに「なぜ？」と原因探しをすることはあっても、「どうすれば解決できるか？」と考えることが少ないです。そのため、「変えられないもの」ではなく、「変えられるもの」にフォーカスすることが大切です。
❌ 「この職場はダメだ。だから結果が出ない。」（原因探しだけ）
✅ 「今の環境でできることを探してみよう！」（解決策を考える）
他責思考を改善する方法｜主体的に生きるためのステップ
「他責思考から抜け出したい！」と感じたあなたは、すでに第一歩を踏み出しています。
大切なのは、「環境や他人ではなく、自分の行動を変える」こと。ここでは、他責思考を改善し、主体的に生きるための3つの考え方と、実践すべき行動習慣を解説します。
他責思考をやめるための3つの考え方
① 「変えられること」にフォーカスする
「上司が悪い」「会社の制度がダメ」「社会が不公平」など、自分ではコントロールできないことにばかり目を向けていませんか？でも、それでは何も変わりません。大切なのは、「自分が変えられること」に意識を向けることです。
例えば、会社の環境に不満があるなら、「不満を言う」のではなく、「転職する」「自分のスキルを磨く」「上司との関係を改善する」などの具体的な行動を考えることが重要です。
② 「なぜ？」ではなく「どうする？」と考える
他責思考の人は、よく「なぜこんなことが起きたのか？」と原因ばかり探します。「なぜ？」と考えても、過去の原因を追求するだけで終わってしまいます。
例えば仕事でミスをして上司に怒られた時に「なぜこんな理不尽なことで怒られなきゃいけないんだ！」と考えるのは他責思考と言えるでしょう。しかし、「次回ミスしないために、何ができるか？」と主体的な思考をもてば、未来に向けた具体的な改善策を見つけることができます。「どうすればこの状況を改善できるか？」と考えるクセをつけることで、成長のチャンスを逃さなくなるのです。
③ 「事実」と「解釈」を分けて考える
他責思考の人は、物事をネガティブに解釈することが多いです。
例えば、上司が会議中に自分の意見を否定したときに「上司は自分を嫌っている！」と考えるのは感情的な解釈です。事実は「意見を否定された」だけです。それを「自分が嫌われている」と決めつけるのは、思い込みにすぎません。
事実を整理し、「上司は別の視点を持っているだけかもしれない」と、「事実」と「解釈」を切り分けて考えることで、感情的にならず、冷静に状況を判断できるようになります。
実践！他責思考を手放すための行動習慣
考え方を変えるだけではなく、具体的な行動を習慣化することが大切です。ここでは、すぐに始められる3つの行動習慣を紹介します。
① 自分の言動を振り返る「日記を書く」
1日の終わりに、以下の質問に答える形で日記をつけてみましょう。続けることで、自分の思考パターンを客観的に見つめ直すことができます。
- 今日起きた出来事は？
- 自分はどんな行動をとったか？
- もし他人のせいにしたことがあれば、それを自分の成長にどう活かせるか？
② まず「自分にできること」を考えるクセをつける
何か問題が起きたとき、すぐに「誰のせい？」ではなく、「自分にできることは何か？」と考える習慣をつけましょう。考えるクセをつけることで、問題解決能力が上がり、周囲からの信頼も得られるようになります。
例えば仕事のトラブルが発生したときは「この問題は上司のせいだ！」と考えるのではなく、「自分にできることは何か？ どうすれば解決できるか？」という主体的な思考を持つようにしましょう。
③ 失敗したら「次どうする？」を習慣化する
失敗したとき、「なんでこんなことになったんだ…」と落ち込むのではなく、「次にどうする？」と前向きに考えることが大切です。
仕事でミスをしたら「次回はどう改善するか？」を考える
人間関係でトラブルになったら「次からはどう対応するか？」を考える
この習慣が身につくと、他責思考が自然と減り、主体的な行動が増えていきます。
他責思考の人との付き合い方｜上手に対処する方法
他責思考の人と接する機会は、職場や家庭など、どこにでもあります。
- 職場の同僚や上司が「全部部下のせい」にする
- 友人や家族が「社会が悪い」と愚痴ばかり言う
- パートナーが「自分は悪くない」と責任を取らない
こうした人たちとどう関わればよいのでしょうか？ここでは、他責思考の人の特徴と、上手に付き合うためのポイントを解説します。
職場や家庭にいる「他責思考の人」の特徴
他責思考の人には、共通する行動パターンがあります。
① 仕事のミスを認めない
職場でのミスを「部下が悪い」「上司の指示が悪い」「会社のシステムがダメだ」と周りのせいにします。そのような人は、同じミスを繰り返しやすく、成長が止まりやすいのが特徴です。
❌ レポートの誤字脱字 → 「チェックする時間がなかったから仕方ない！」
❌ プロジェクトの失敗 → 「他のメンバーがちゃんと動かなかったから！」
② いつも誰かのせいにする
他責思考の人は、自分の状況が悪いのは「他人や環境のせい」だと考えるクセがあります。
「自分が評価されないのは、上司が見る目がないから」「仕事がうまくいかないのは、職場環境が悪いせい」などと日頃から口にする人は、自分の努力や行動の問題には目を向けず、環境を変えようとしないのが特徴です。
③ アドバイスを聞かず、批判ばかりする
他責思考の人に「こうしたらいいのでは？」とアドバイスしても、「でも」「だって」とすぐに否定されることが多いです。解決策よりも「できない理由」を探してしまうのが特徴です。
他責思考の人と向き合うためのポイント
他責思考の人に巻き込まれると、こちらまでストレスを感じることがあります。そこで、上手に対処するための3つのポイントを紹介します。
① 冷静に距離を取る（巻き込まれないようにする）
他責思考の人は、「共感してくれる人」を求めて愚痴を言うことが多いです。そのため、「そうだよね！上司が悪いよね！」と共感しすぎると、どんどん愚痴が増えてしまいます。愚痴を言い始めたら、「そういう考え方もあるね。そういえば話かわるけど…」と話を切り替えるようにしましょう。もし、何を言っても他責思考が変わらない場合は、なるべく距離を取ることが大切です。
② 具体的な解決策を提示する（問題解決にフォーカスする）
愚痴を聞くだけでは、他責思考の人の考え方は変わりません。そこで、「どうしたら解決できるか？」という視点で話をするのが効果的です。上司が仕事のミスを部下のせいにしてきた場合は、感情的に「部下のせいにしないでくださいよ！」と反論するのではなく、冷静に「では、ミスを減らすために、どんな対策を取るのが良いでしょうか？」と提案しましょう。このように、「どうすればいい？」という視点を持たせることで、他責思考から抜け出すきっかけを作ることができます。
③ 必要以上に責任を背負わない（共依存を避ける）
他責思考の人と関わっていると、つい「自分が何とかしなければ」と感じてしまうことがあります。しかし、相手の問題を背負いすぎてしまうとこちらが疲れてしまいます。「自分の責任ではないこと」は割り切り、必要以上に関わらず、適度な距離を保つように心がけましょう。
「他人の考えを変えることはできない」と割り切ることで、自分の精神的な負担を減らせます。
まとめ｜他責思考を手放し、主体的に生きるために
最後に、「今日から実践できる3つのステップ」をまとめます！
- まずは自分の思考を振り返る（セルフチェック＆日記を書く）
- 何か問題が起きたら「どうする？」と考える習慣をつける
- 他責思考の人と上手に距離を取る（巻き込まれない）
他責思考は、意識すれば必ず改善できます！「自分の人生を主体的に生きる」ために、できることから一歩ずつ始めてみましょう！
